布留川 勝の人材育成の現場日記

人材育成担当者を悩ます「グローバル人材育成」「英語研修コストダウン」

2014/10/29

グローバル人材育成

海外研修(若手・中堅)

英語力底上げ

先週の土曜日に、弊社が毎月開催している「パーソナル・グローバリゼーションセミナー」の講師を務めた。
今回はPart1「自分のグローバル化の始め方」Part2「右脳型英語学習法」の2部構成になっていて、前半は私が、後半は弊社ディレクターの福田聡子が担当した。

17名のご参加者のうち半数以上が企業の人材育成のご担当者であった。
昨今グローバリゼーションの影響が経営により直接的な影響与える中、企業内において早急にグローバルで活躍できる人材を育成する、また長年続けてきた英会話レッスンの非効率性を何とか是正したいというニーズがますます高まるなか、そのソリューションのヒントを得るためにご参加された方が多かった。

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コストダウンを図りながらいかにこの課題を解決するのかは、企業の人材開発担当者にとっては頭が痛い問題である。

そこで私が常々提案しているのは、「主体的に学ぶ社員を育成する仕組み作り」ことである。

本人に全くその気がないのに、いくら会社がグローバル人材育成のコースや英会話レッスンを提供したところで効果はたかが知れている。
しかし、本人がその気になりさえすれば、英語を自己学習でモノにすることは可能であるし、さらに英語以外のグローバルスキルやグローバルマインドセットを身に付ける事も不可能ではない。
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今回のセミナーの目的はそこにある。このセミナーの参加者は、なぜ自分をグローバル人材化するべきか、なぜ英語が必要かが腹落ちし、会社に言われるからではではなく主体的に動き始めるのだ。

日本人の多くが、自ら自分をグローバル人材化しようとしたり、英語を自発的に学ばない理由は本人が必要がないと思っているからである。
それは今までの人生あるいは現在必要がないからそう思っているのである。
この人たちに共通するのは「想像力の欠如」である。なぜ今まで必要がなかったからこれからも必要がないと考えてしまうのだろうか。そのような根拠のない楽観性は個人にとっても企業にとっても危険である。

弊社のクライアントの80パーセントは、各業界の上位企業である。従って、ほとんど例外なくグローバル市場でシェアをとっていかなければ3年後の明るい未来が見えない。
それにもかかわらず、大多数の社員が危機感を覚えていない理由は2つある。

1つ目は過剰に社員を守る法律である。日本の法律ではよほどのことがない限り社員を解雇することができないのは周知の通りである。別に自分自身がグローバル人材でなくても会社が倒産したり大きく傾かない限り仕事を失う可能性は極めて低いのである。だから、周囲と同じように自分グローバル化など面倒なことは避ける

2つ目は現場の仕事の中で、あるいは自分自身のプライベートの生活で自分自身が英語ができなくてもグローバル人材でなくても大きな支障がないことである。
これはEUやASEANの事情とはかなり違う。これらの国々の知識労働者で英語を話せない人大きく減少しているのである。

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しかし、この2つの理由は徐々に変わりつつある。

1番目の法律に関しては、高度成長期にはポストもふんだんにあり、日本人の給与もまだ低かったのでメリットも多くあったが、今では機能不全を起こし弊害がかなり出てきてしまっている
高年収で貢献度の低い社員をたくさん抱えるのはどんな企業にとっても許されない時代だ。
法律の改正がこれから先しばらく行われないにしても、企業は成果主義を本格的に導入することを検討し始めた。
電機大手などはすでに着手したことを発表している。実体のない名ばかりの成果主義は今後淘汰されていくであろう。
解雇ではない別の形で自らをグローバル人材化しようとしない人間に対しては厳しい評価が下されることになるはずである。

2番目の、「英語を必要としない国」という日本の事情も変わりつつある。例えば、人材不足から来る外国人採用が今まで以上に現実的になってきている。
その時に、「日本語の出来る」という枠組みを設定した途端に、人材のレベルは大きく下がってしまう
インド人でも中国人でも日本語のできる人材よりも英語のできる人材の方が圧倒的に多い。
楽天が英語社内公用語化した理由はまさにそこにある。日本語のできるIT人材を探すのより英語もできるIT人材の方がより優秀な人材が採用できるからである。その結果、日本人社員も英語ができなければならない。
この構造は楽天だけではなくほとんどの企業にとって無視できない ものになるのである。

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今回の1日セミナーでは、なぜ自分自身をグローバル人材化しなければならないのか、そしてどのように自分自身をグローバル人材化するかを学んでいただいた。
コストを下げながらグローバル人材の育成をする仕組み作りはなかなか一筋縄ではいかない。

しかし、社員が日々の生活の中で、主体的に自分をグローバル人材化し、英語を身につける仕組みができれば人材育成担当者の悩みの多くも解消されるはずである。

2014-10-28

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