先週、第90回『日本とグローバル企業のリーダーシップにおける違いとは?』
~組織のリーダーとして覚悟を固めるための、「禅」の精神アプローチ~ を開催した。
今回は仲本講師をお呼びして、お寺「で」リーダーシップを考えるという研修のご紹介だ。
私のパートでは、
『「ついていきたい」と思われるグローバルリーダーに必要な要素とは』
というトピックをご来場いただいた皆さんと一緒に考えた。
日米のリーダー像比較やサッカーの本田選手のコメントを紹介した後、
「グローバルな環境で揉まれ叩かれ、リーダーやトップアスリートは育成されるのか、
それとも国内にとどまり日本人や日本社会においても
グローバル人材は育成できるのか?」というディスカッションでは
参加いただいた皆様からも多くの意見をいただいた。
例えば、以下のようのコメントがあげられた。
・国内・海外という場所の違いではなく、その仕事を通じてどんな経験値が上がるのか、
であるので、必ずしも海外に行けばグローバルリーダーを育成できるわけではない。
・育成のスピードを考えると、国内よりも海外に「放り込む」方が
早くグローバルリーダーを育成できるのではないか、というものだ。
私は「海外経験がないとグローバルリーダーになれない」という考え方には立っていない。
実際、私は日本国内でしかビジネス経験のない人たちの中に、グローバルで通用する人たちを多く知っている。
ただ、同時にこのようにも考える。
もしこの同じ人物が、 20代から30代の時に、欧米やアジア、中東、アフリカなどで経験を積む機会があったとしたら、昨今の日本企業がグローバル展開の中で苦しむ中、まさに切望される人材になっていた可能性があるのではないかと。
もちろん、答えは一つではなく、いろいろな考えがあるだろうし、
これを行えば、「グローバル人材が出来上がる!」という類のものでもない。
この研究会ではこのようなことをご担当者様同士が
真剣に議論できる場にしていきたいと思っている。
次回G研(9月19日)は、この課題を取り上げる。
『徹底解説!投資効果を最大化するための海外ビジネススクール活用法
~Tepper School of Business, Carnegie Bosch Instituteから学ぶビジネススクール最先端の動向~』と題して、Carnegie Bosch InstituteのPresidentであるMs. Sylvia B. Vogtが来日して、世界のグローバルリーダーが学ぶビジネススクールの動向をお話する。
<次回研究会の詳細>
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_91.html
大変貴重な機会なので、是非、ご興味のある方は、お越しいただきたい。
第二部の仲本講師のパートでは、鎌倉のお寺で行っているZEN研修をご紹介いただいた。
お寺という非日常の環境で五感を研ぎ澄まし、リーダーとしての覚悟を持ち始めるための、
研修の仕組みについてお話いただいた。
Steve Jobsの有名なスタンフォード大学の卒業式スピーチでも、禅の精神が表れているとのことで、
その解説や、禅がビジネスにもたらす効用についても語っていただいた。
お寺では、座禅を組んだり、掃除をしたり、写経をしたり、
墨絵で表現したり、という、より深く自分と向き合う時間もある。
仲本講師からのより深く内省を促すような質問によって、
組織が抱える問題の解決の糸口となるような時間になるのだ。
潔く捨てる、一つに集中する、
つまらない対立を忘れる、自然のままを受け入れる、
そしてその場・瞬間を心から楽しむ。
ものごとがめまぐるしく絶えず変化し続ける現在にあって、
グローバルで活躍していくためには、きれいな心、しっかりした心を持つことが大切だ。
そんなグローバルリーダーに必要とされる心のありよう、体のありようを考える時、
禅がもたらす効用は計り知れない。そんなことを心から思った一日だった。
<仲本講師と一緒に>