先週弊社のお客様の監査法人にて、トップの年頭挨拶の直後にお時間をいただき250名の公認会計士さんへのパーソナル・グローバリゼーションをテーマに講演の機会をいただいた。
こちらの監査法人においては、人材のグローバル化は重要な課題となっている。先日のブログにも書かせて頂いたが、 14日間のワークショップも導入いただいていて、公認会計士のグローバル化に関しては非常に積極的である。
→http://blog.m-furukawa.jp/archives/2012-10.html#20121023
さすがに難関の試験を通っている方々はスキルをものにするのも早くROIは高い。
とにかく優秀な人材が、グローバルマインドとスキルを身につけてしまえば将来への大きなリスクヘッジになるのだからなにもためらう必要はない。
昨今公認会計士のような日本を支えるプロフェッショナルにも、グローバリゼーションの大波はおしよせ始めてている。金融マン、商社マン、技術者であろうと、人事、財務、マーケティング、法務の専門家であろうと例外はどんどんなくなってきている。
そんな中、公認会計士や弁護士などのプロフェッショナルは、仕事の性質上グローバリゼーションとは若干距離を保ちながら職務を遂行してきたわけであるが、クライアントのグローバル化やTPPの与える影響によってその状況も変化が出てきている。
トーマス フリードマン的に言えば、その大波を受けずにいられるのは、二つのカテゴリーの人たちである。一つ目は地元密着型のビジネスに従事する人たち。例えば、医師、庭師などその場所に絶対にいなくてはならない職業の人たち。
そして、もう一つは個人として圧倒的なパワーを持つ人たち。例えば、村上春樹さん、香川真司さん。
だがそれ以外の職業の人たちはすべて、大波が押し寄せてくる時間差はあるが、何らかの形でグローバリゼーションの影響を色濃く受ける可能性が高まっている。
特に、知識や経験を換金化しているホワイトカラーには、一瞬にして津波が押し寄せるごとくキャリアを襲う。
私もその真っ只中にいるし、このブログを読んでいただいているほとんどの方がそのカテゴリーに入っている。
例えばドイツ人、シンガポール人、インド人のプロフェッショナルはなかなか巧みにグローバリゼーションに適応し、キャリアを襲うリスクをヘッジしている。お隣の韓国人も同様である。
こういった国々では、状況は違っても、グローバリゼーションの洗礼をなんらかの影響でよりダイレクトに受けてきているからであろう。
さて、日本人はどうか?
残念ながら、国内ビジネスだけを長年行ってきている人たちは、自らよほど気づかない限り、居心地の良い日本社会にどっぷり浸かり、敢えて自分をグローバル対応できるように努力することを怠ってきている。
言い換えれば、何も手を打たないことによって将来へのキャリアリスクを抱え込んできているのである。
近未来に自分を待ち受けるのがさざ波ならともかく大波がきた時には、常日頃から適応できるように準備している人とその時になってあわてる人とでは大きな差がついてしまう。
大きなジャンプに成功するには「長い助走」が必要なのである。