先日、ある監査法人様での約9ヶ月間のグローバル研修が始まった。
グローバルな監査法人グループ内での日本法人の存在感をより一層高めるため、
組織のグローバル化を急速に進めていらっしゃる。
組織の底上げとして、私の講演も数多くご導入いただいているが、
今回はより組織的アプローチの一環で、選抜人材向けの9ヶ月プログラムを導入いただいた。
各部署の非常に優秀な方々ばかりが集まっており、議論もとても盛り上がった。
今まであれば、公認会計士は国内顧客を担当し、
グローバル案件は、世界各国に広がる監査法人グループが担当、という分担が出来ていた。
しかし、顧客のグローバル化のスピードが想定以上に早く、
また、TPPを締結すれば、海外の有資格者が日本に参入してくる可能性も高く、
より競争が激化するという見方もある。
そのような背景もあるからか当日のご参加者の真剣度は高かった。
また、自分自身のグローバル化だけではなく、
ずっと国内を中心に仕事をされてきた参加者の中には、
「自分がグローバル人材化すると、自分を目標としてくれている
後輩や部下もグローバルに目覚めるのでは?」と、
この研修の目的の一つである組織波及効果についても、
きちんと理解されていた点が印象的だった。
私が危惧しているのは、日本があまりにも住みやすい良い国であることの
ネガティブインパクトが出てきているということだ。
人間は、追い込まない限り、変わらない。
日本のプロフェッショナル人材は、今すぐにでも自らをグローバル化させ、
世界の誰ともでも、どこでも働けるように準備する時期がきている。
「個のグローバル化」は『一日にして成らず』である。
公認会計士のようなAクラス人材がすぐに始めても
プロフェッショナルレベルまで到達するには数年は必要である。
そして、その初日がスタートした。
今回のプログラムは、約9ヵ月間を通じて、
参加者をスキル面でもマインド面でも、グローバルで生き生きと働く、
グローバルリーダーとして育成することだ。
第1回での参加者の面々とのやりとりを思い出すだけで、
今から9ヵ月後がとても楽しみだ。
(写真は初日の私のパート『パーソナル・グローバリゼーション』の様子)