先日グローバル人材育成1年コースの経営陣に向けてのファイナルプレゼンテーションがあり、私も参加してきた。この企業ではこのプロジェクトが今期で4期目である。毎年内容もますます磨きがかかってきていて、経営陣の鋭い質問にも説得力を持って答えることができていた。
良き昭和の香りを残すこの企業にとっても急激なグローバリゼーションの中、グローバル企業としての組織と人材の開発は急務である。そんな中、将来を嘱望される若手の幹部候補人材(毎年平均15名)がこのコースを修了していく状況は、1年で60名の育成は非現実的であることを鑑みると現実的かつ理想的である。
グローバル人材育成を組織として面展開することは「言うは安し行うは難し」であることは、現場にいる私には痛いほどわかっている。
実際多くの企業が必要なことは分かっているが、方向性を決めきれずに、中途半端な英語研修と異文化コミュニケーションをパッチワーク的に取り組むところで足踏みしている。先進国と新興国企業の猛烈なグローバルマーケットシェアの拡大が日々進む中、海外の現場で戦う人材の育成をどうしていいかわからずに立ちすくむ日本企業にはけたたましい警鐘が鳴っている。
トップの明確なビジョンと人事部の企画運営と熱意に支えられ、毎年試行錯誤を繰り返しながら実践したこのプログラムは参加者だけではなく周囲の社員にもポジティブな影響を与え、「内なるグローバル化」も促進してきた模様である。
今年も最後までやり遂げた16名の皆さんと経営陣の思いに満ち溢れた現場を共有できたことは幸せであった。
(写真はプレゼン終了後の懇親会の模様。社長から全員が修了証を受け取り、満面の笑みを浮かべた会長と社長に挟まれた記念写真も撮られた。温かいひと時であった。)