第2部では、当社パートナーである古森剛講師より「グローバルで通用するリーダー人材の育成~グローバル化を担うリーダーとして求められる実技とは~」をご紹介した。
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これからのグローバルリーダーに求められてくる力は諸々あるが、中でも重要なのは「権限」ではなく「影響力」によるリーダーシップを持つことである。
勿論、権限のある人材からの指示に対し「ルール上」その指示は通り、物事を動かしていくことはできる。しかし、本質的に組織に影響を与えられるリーダーと必ずしもイコールではない。多くの場合、現場は権限の有無のみで動くのではなく、「リスペクト」と揺るぎない「トラスト」が組織を動かしていく。
組織を牽引するリーダーにはリスペクトされる責任がある。そして周囲からリスペクトを得ていくためには、自分の強みとなる「核」を明確に認識し、絶え間なく強化させ、周囲に認知してもらうことが重要である。周囲に認知されることで、自身にフォロワーが増え、それが「揺るぎない自信」につながっていく。
この、自身の「核」を顕示するプロセスは世界共通認識であるため、逆に言えばこれができると
「世界中どこに行っても影響力を持つグローバルリーダー」への成長を遂げることができるのである。
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更に、リーダーとして組織を築いていく過程でもうひとつ重要な要素が「多様性」である。
皆様は「多様性」に対して正しい感覚をお持ちだろうか?重要なのは、自分には相手に対するバイアスがあることを認識したうえで、マイノリティに置かれた「個」をいかに守れるか、ということである。
多様性から生まれるイノベーションとは、創るものではない。多様な意見や行動が生まれる「組織の余地(滞空時間)」を設け、ある種の「放置」の中で生まれてくるものである。更に、その多様な意見や行動が表明される環境を創り出すことである。
そう考えると、例えば「男女比率の平均化」といった取り組みは、表面的な多様性に留まっていることがお分かり頂けるだろう。したがって、人的な意義のみならず企業としての経済効果を得るためには、個々の思考内容の多様化ではなく、表明される意見の多様化を目指し、その状態を是非継続させていただきたい。
「真のグローバル人材」になるための根幹的な考え方を改めて考えさせられる、大変有意義な1日であった。
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写真にある『ふと思う系』は、古森講師が普段考えておられることを素敵な写真と共にまとめた一冊であり、本日皆様にご紹介いただいた。