グローバル人材育成で常にネックになるのが英語力という課題である。さすがに一昔と違い
グローバル人材=英語力
という公式は崩れてきているが、それにしても英語力はやはり重要である。
今回の出張の場所は、中国、フィリピン、マレーシアと3国で、今日はクアラルンプールでこのブログを書いている。 振り返ってこの出張で私が英語でコミュニケーションをとった人たちの国籍を列挙すると以下の8カ国である。
中国、韓国、フィリピン、台湾、マレーシア、日本、米国、イギリス
ネイティブ(母国語が英語)が2カ国、非ネイティブが6カ国である。日本人が入っているのは多国籍でのミーティングでは日本人とも英語で話すからである。
この非ネイティブの話す英語は『グローバルイングリッシュ』とよばれていて、アジアやヨーロッパ、米国では特にニューヨーク、イギリスではロンドンなどでは普通に使われている。拙著『パーソナル・グローバリゼーション』のなかでもグローバル人材のスキルの一つとして取り上げている。ビジネスの現場は多国籍が普通で、このような各国のアクセントや表現の英語が使われることは自然であり何の躊躇もない。
そして、私が常々危惧しているのが、日本人の完璧主義からくるネイティブ英語至上主義である。英語を学ぶなら、できれば米国人かイギリス人でオーストラリア人はちょっと発音に問題があるなどといって敬遠したりする。英語をツールとしてではなく、学問やステータスとして考えるからそんな発想が出てくる。加速するグローバリゼーションの中で早くこの非論理的な発想を捨てなければならない。
そこで、学問としての英語から脱却し、ツールとしての英語を身につけるコースの打ち合わせで、一昨日までフィリピンのマニラにいた。そして、日本企業の英語研修としての位置づけでフィリピン人英語教師による『電話英語コース』の打ち合わせを行った。
ここにはコールセンターがあり140人の英語教師がいる。指導官も含め9名をインタビューしてみた。1名は若干アクセントがあるが、そのほかの教師は発音も文法も問題のないレベルである。
なぜフィリピンか?それは、コストと質のバランスである。詳しくは次回に述べたい。
(写真はフィリピン人英語教師陣のパネル)