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2月12日(水)に195回G研、『新時代は新格差社会「価値を作る人と価値を消費する人」~30歳であと40年、40歳であと30年、50歳であと20年働く時代のキャリア設計~ を開催した。当日はグローバル人材育成関連の著書も多いキャメル・ヤマモト氏をゲストにお迎えし、ご来場いただいた皆様と一緒に「100年時代にどうキャリアを築くか?それをどう会社としてサポートするか?」について議論した。
変身資産をどれだけ持っているか?
リンダ・グラットンは、書籍「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略」の中で、人々の寿命が長くなるにつれ、人生は今までの3ステージ制からマルチステージ制になるだろうと言っている。
今までは、教育・仕事・老後という単線的な3ステージで描けた。日本の例で言うと、今までは一流大学を卒業し、一部上場企業に就職し、65歳で引退し、幸せな老後を過ごすという、予測可能で「画一的な成功」が描ける社会だった。しかし、寿命が延びて100歳まで生きるとなると、80歳まで働くことが必須になるだろう。そうすると、皆が一斉に同じことをするのではなく、人それぞれのタイミングで学習と仕事を繰り返すマルチステージになってくる。数年で技術やスキルの陳腐化が進むスピードの速い現代において、ビジネスパーソンとして重要なのは、一つの専門性だけに拘るのではなく、常に変身し続けることだ。それをリンダ・グラットンは、「変身資産」と呼んでいる。
Club 45 – ルーチンバスター
実は今回、Club 45というプロジェクトを始動させた。昨今、40代から50代の社員の生産性がメディアで取り上げられることが増えている。Club45は、組織の40代から50代の方々の変身と組織の活性化を目的とする、新しいプログラムだ。ルーチンバスター(=型にはまった行動の打破)をテーマに異業種で切磋琢磨し合うClub 45。詳細は近日中にこちらのブログでご紹介したい。
今回のG研では、著書「独習力」を出版されたキャメル・ヤマモトさんにご登場いただいた。
個性や自立性が高いからこそ、他者とコラボレーションする
今回、非常に印象に残ったのは、キャメルさんの『つなぐ主体は「私」だ。』というメッセージだ。どうしても大きな組織にいると、その全体の一部の「作業」を行う形で仕事をせざる得ない場面がある。しかし、これからの時代は、主体性と個を強く持った人間同士がつながり合うことが重要なのだ。キャメルさんの書籍の中にもあるように、日本だと協力的な人は個性が弱く調整をしている人と捉えられがちだが、新しい時代には、「個性や自立性が高いからこそ、他者とコラボレーションする」人材が求められている。当日は、具体的な方法も議論しながらお話いただいたのだが、やはり最初の一歩は、「自分の視点で捉える練習」だ。「他の誰か」の視点ではなく、「自分」はどう思うのか?その訓練として、WHY(なぜそれが必要か)とWHAT(能力は何か)とHOW(能力をどうやって形成し、活用するか)を自分に問いかけることがまず第一歩と述べている。これは全く同感で、私が展開している「パーソナル・グローバリゼーション(自分を自律的にどうグローバル化するか)」も、全く同じロジックである。私はキャメルさんと話していると、物事を深いレベルで議論が出来、色々なアイディアが浮かび、非常に楽しい。今回の研究会も示唆に富んだ内容で、ご参加者からは「頭の中がだいぶ整理されました」等々、感謝の言葉をいただいた。
グローバル人材育成研究会(G研)を立ち上げた当初から、私はG研を単なるプログラムの紹介にしたくないと強く思っていた。人材育成担当者の方々が日々考えていること、講師や海外教育機関が日々取り組んでいること、そして、グローバル・エデュケーションとしてそこにどう解決策や価値を提供していくのか、それを考え、議論する場が作りたいと思っていた。今回のG研もまさにそのような場になったようで嬉しい。
終了後に、キャメルさん、当社専務の福田と一緒に。