去る10月3日(水)に
The London School of EnglishのオーナーであるTimothy Blake氏とMartin McDonald氏、
アイエヌジー生命保険株式会社の内山進一氏、
そして、London Business SchoolからはAdam Kingl氏をお迎えして、
第80回グローバル人材育成研究会を開催した。
第1部では私が『英語力、グローバルマインド、
エグゼクティブ人脈が同時に手に入る海外研修』というタイトルで
日本人の国際競争力と海外研修の活用法についてお話した。
やはり、各社の共通の課題としては、下記の二つが挙げられる。
・海外研修の目的をはっきりさせること
・素養のある人材のみを厳選
たとえ英語力が低くとも、素養のある人材を派遣すれば、必ず効果は出る。
まずは国内で、研修のWhy, What, Howを明確にし、
必要最低限のスキルを身に付ける。
そして、The London School of Englishなどの極めて質の高い語学学校で
異文化で発信することに慣れた後、London Business Schoolをはじめとする
トップビジネスで学ぶ。このようなステップを辿ることで、
必ず、個人のみならず、組織に還元できる成果が出るのだ。
第2部では、オーナーであるTimothy Blake氏と
マーケティングディレクターのMartin McDonald氏から
The London School of Englishをご紹介した。
イギリスの語学学校業界は非常に厳しく、学校設立の許可も難しいことに加え、
高い質の教育を保てなければすぐに破たんしてしまう。
The London School of English はそんな厳しい中で、
100周年を迎えながらも更に進化を続ける、非常に質の高い学校である。
私自身は、オーナーのTimothy Blake氏とは20年来の付き合いで、
本当に教育を第一に考えている、素晴らしい人物だ。
また、今回は特別に、実際に今年の夏にThe London School of Englishで
授業を受講されたアイエヌジー生命保険株式会社の内山進一氏に
ワクワクするような体験談をご披露いただいた。
授業の様子のみならず、課外活動の様子、またご自身が留学された際の
社内制度などについてお話いただき、まさに私もロンドンに行ったような気分になった。
内山氏の話しやすい人柄も手伝ってか、
出席いただいた方からも質問が多く出て、とても盛り上がった。
(左から、私、Timothy Blake氏、Martin McDonald氏、内山氏、当社の福田)
最後のLondon Business SchoolのAdam Kingl氏からのプレゼンテーションは、
Innovation and Diversityという、まさに日本企業にぴったりのテーマだった。
リーダーの使命として大切なのは、自身がイノベーションを起こすことのみではなく、
継続的にイノベーションを組織が起こし続けられるような環境を整えることだ、
という主張には、思わず深く頷いてしまった。
では、どのようにしたら、そんな環境が整えられるのか?
答えはいたってシンプルだ。
競合が真似できないような、イノベーションを起こし続ける企業文化を作ることだという。
ただし、商品やプロセスを真似るのと違い、企業文化を真似することは難しい。
Googleのような革新的な商品を世に送り出す企業になりたい、と言っても、
簡単に自社にGoogleの企業文化を真似は出来ないだろう。
企業文化を醸成するのには時間がかかるのだ。
もう一つ私が興味深かったのは、
Effectiveness (効果的、生産的)は、Harmony(調和)と異なるという
当たり前のメッセージだ。
ある調査によると、同質なグループは、自分たちが調和を好み、かつ、生産的だと思っており、
異質なグループは、自分たちを生産的なグループだと思っていないという。
しかし、同じ課題を解かせた時、同質なグループよりも、異質なグループの方が
より早く正確に問題を解いてしまうのだ。
異質な存在を掛け合わせることがイノベーションでは大切だとは
よく言われることだが、人々の認知の上で、生産的だと思っていなくとも、
実際には生産的なアウトプットが出せる、という調査結果は非常に興味深かった。
今回のグローバル人材育成研究会は第80回。
気がつけばもう80回ということで感慨深いが、あと20回で100回を迎えるので、
まだまだがんばりたいという気持ちを新たにした次第だ。
次回以降も、皆様のお役に立てるような刺激的な会にしていきたい。