布留川 勝の人材育成の現場日記

他人事・他責・会社依存集団からの脱却

2011/11/15

グローバル人材育成研究会(G研)

リーダーシップ

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11月8日(火)に第71回G研 「他人事・他責・会社依存集団からの脱却
~評論家メンタリティを脱し、当事者意識溢れる組織への進化の鍵
~」を
中土井 僚 氏をお招きして開催した。

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私のパートでは、「グローバルマインドを社内に浸透させるには?」を取り上げた。グローバル化が声高く叫ばれる今日、組織、そして個人がグローバル化しなければ、世界中の優秀な人材と協働・競争が出来なくなるという危機感を持つ企業が増えてきている。しかし、グローバリゼーションの本質を理解し、ドメスティックな組織カルチャーを変革に結び付けるだけの施策を実践、成功している企業はまだまだ少ない。むしろその仕掛け作りに頭を悩ませている企業が多く、私もよく人事ご担当者の方々から相談を受ける。

私は今回その対策について述べ、人材開発と組織開発の相乗効果を引き出す様々な施策をご紹介した。変革の鍵となるのは、

①「日本で仕事のできる人+英語力=グローバル人材」という従来的な発想から脱却し、グローバル人材を社内でモデル化する
②まずは役員・管理職層が自己変革を図り、ロールモデルとなる
③経営トップ、人材育成・企画部門が本気でグローバル人材育成に取り組み、具体的で妥当な施策を展開する

の3つである。

多くの企業で、今後の生き残りを賭け、高度成長期時より日本の企業に根深く浸透している依存型のマインドから抜け出し、環境の変化に対応できるプロフェッショナルなマインドと、グローバルで通用するスキルで、世界と働く「グローバルマインド」を定着させる必要がある。そのためには、個人個人が自ら率先してグローバル人材を目指し、かつ企業が国内・海外研修の効果的な活用によりその動きを促進するという人材開発と組織開発の融合が鍵となる。

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そしてパート2では、弊社のパートナー講師の中土井 僚 氏に登壇いただいた。中土井氏は、経営者へのコーチング、リーダーシップ、組織開発の観点からのコンサルティング、ワークショップ、ファシリテーションのサポートを行い、話題のU理論のC. オットー・シャーマー教授の”Theory U”を翻訳した人物でもある。

今回は、組織に蔓延する犯人探しや他者批判といった評論家・分析家のような態度を、当事者姿勢へと変換するためのヒントについてお話いただいた。中土井氏によると、人が他責的になるのは、責任感の問題ではなく、自分の行動が周囲に与えている影響を認知する能力に欠けている人間の本質的な問題によるものである。例えば上司と部下の関係を考えてみると、部下のレベルが低いと感じる上司がいる一方で、部下が上司にはマネジメント力がないと不満を抱えているケースがよくある。この場合、両者とも他人から受ける影響については認識しているが、自分が相手に与えている影響には気が付いていない。また、自分の行動が将来の自分の行動に与え得る影響も特に考慮していない。これは、個人の責任感によるものではなく、人間の認知システムの限界によるものであり、従って当事者意識を持つには、その本質を理解した上で、意識的に当事者的発想で自分の行動を見つめ直し、客観的な視点で行動を選択、実践する必要があるのだ。

このような人間の認知システムの限界に挑戦し、評論家・分析家姿勢から当事者姿勢への意識転換のプロセスを理解、組織的に当事者意識を醸成するための研修が、中土井氏の「当事者意識向上研修」である。実際の研修では、現実に職場で起こっている問題を取り上げ、階層別ではなく職場全体で実施することで、より問題の本質的な部分を引き出し、当事者意識を持つ組織への進化を目指す

実際の研修同様、たくさんのワークを通して一つ一つの内容を実感していただきながらの進行であったため、ご参加者の納得度も非常に高く、また大変楽しく取り組んでいただき大いに盛り上がった。セッション後には具体的な研修の方法や成果についてたくさんの質問があり、人材・組織開発のプロセスについてさらに具体的なイメージを掴んでいただけたようだ。

自分では認識しづらい他人・組織への依存体質を意識的に克服し、客観的な分析により自らの行動を律する姿勢が、自立型・グローバル人材への第一歩であると改めて考えさせられる機会となった。

次回G研は、11月29日(火)は、以下のテーマである。ぜひご参加いただきたい。
『英語力、グローバルマインド、エグゼクティブ人脈が
同時に手に入る海外研修:語学学校編
~イギリス・エグゼクティブ向け語学学校のご紹介~

詳細とお申し込みは→http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_02.html

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