布留川 勝の人材育成の現場日記

Executive “Education”はExecutive “Impact”へ

2012/03/14

エッセイ

ビジネススクール

LBS_Adam
先週、3/8(木)に第76回G研を開催した。

『導入事例から学ぶ
海外エグゼクティブ・エデュケーションの組織的活用方法
~London Business Schoolにおけるグローバルリーダー育成』

こちらをテーマに第1部では「エグゼクティブ・エデュケーションの
組織的活用方法」
について私から、

第2部では、「London Business Schoolにおける
グローバルリーダー育成」
ということで、London Business School(LBS)のAdam Kingl氏を招いて、
LBSのExecutive Educationへのアプローチについてお話頂いた。
Adamは2010年11月の第58回G研に続き2回目の登壇である。

NEC坂梨様

そして第3部では、日本電気株式会社キャリアネットワーク企画本部の坂梨恒明人事部長より導入事例をご紹介頂いた。

ここ2~3年、リーマンショック以降、各企業において、急激なグローバル対応に向けて
グローバル人材育成の見直しが本格化している。

その過程では、世界のトップクラスのグローバル企業も活用している
ビジネススクールのエグゼクティブ・エデュケーション(経営者教育)も当然ながら視野に
入ってくる

しかし、人材の派遣にあたり、英語力におけるハードルの高さに加え、
経営的観点から意見を戦わせ、その過程から新たな考えを共に見出だす、
「対話」の実践に求められるコミュニケーションスキルや、
アサーティブネスなどの課題
も多い。

そのため、参加者のスキルの課題のみならず、
行かせたい人と、行かせられる人のギャップなど人選の課題
もある。

そうした背景もあり、最近お問い合わせが増えており、
参加された人材育成ご担当者の皆さんの関心も外資・内資問わず高く、
参加者間のディスカッション、意見交換も活発に行われた。

今回、印象的だったのは、LBSのエグゼクティブ・エデュケーションに対する
アプローチの変化である。
設立当初は、各ビジネススクールのプログラムはどれもさほど変わるものではなく、
かつ位置付けとしても、豪華な教授陣に、各国企業のトップ人材との知的交流を楽しむ
「インセンティブ」的な要素が強かったと言う。

しかし、ここ最近は企業の求める「変化」の実現に向けて、
派遣される人材のリーダー化、リーダーシップ強化を通して、いかにその個人にインパクトを
与え
、そしてその人材が組織に対してインパクトを与えられるか
ということを前提にしたプログラム開発にLBSはシフトしている。
故にLBS内では名称を、従来型の教授陣から、知識を得るまたは”ダウンロード”する、
「エデュケーション」から「インパクト」へと変化させている。

事例発表頂いたNEC様のキャリアネットワークビジネスユニットでは、
2007年以来、6期に渡り、116名の若手管理職、管理職候補の主任クラス
国内でのグローバルスキル強化プログラムを受講し、
39名が各国のトップビジネススクールのエグゼクティブ・エデュケーションに派遣されている。
グローバルビジネスにおいて、競合・協働し得る人材のレベルを体感したコア人材が増えることは、今後のグローバル展開において組織に「インパクト」を与えていくのだろうと確信している。

私たちとしても、改めて様々な人材育成・組織開発支援を通して
どの様な「インパクト」を起こせるかについて考えたいと思った1日だった。

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