先週、3/8(木)に第76回G研を開催した。
『導入事例から学ぶ
海外エグゼクティブ・エデュケーションの組織的活用方法
~London Business Schoolにおけるグローバルリーダー育成』
こちらをテーマに第1部では「エグゼクティブ・エデュケーションの
組織的活用方法」について私から、
第2部では、「London Business Schoolにおける
グローバルリーダー育成」ということで、London Business School(LBS)のAdam Kingl氏を招いて、
LBSのExecutive Educationへのアプローチについてお話頂いた。
Adamは2010年11月の第58回G研に続き2回目の登壇である。
そして第3部では、日本電気株式会社キャリアネットワーク企画本部の坂梨恒明人事部長より導入事例をご紹介頂いた。
ここ2~3年、リーマンショック以降、各企業において、急激なグローバル対応に向けて
グローバル人材育成の見直しが本格化している。
その過程では、世界のトップクラスのグローバル企業も活用している
ビジネススクールのエグゼクティブ・エデュケーション(経営者教育)も当然ながら視野に
入ってくる。
しかし、人材の派遣にあたり、英語力におけるハードルの高さに加え、
経営的観点から意見を戦わせ、その過程から新たな考えを共に見出だす、
「対話」の実践に求められるコミュニケーションスキルや、
アサーティブネスなどの課題も多い。
そのため、参加者のスキルの課題のみならず、
行かせたい人と、行かせられる人のギャップなど人選の課題もある。
そうした背景もあり、最近お問い合わせが増えており、
参加された人材育成ご担当者の皆さんの関心も外資・内資問わず高く、
参加者間のディスカッション、意見交換も活発に行われた。
今回、印象的だったのは、LBSのエグゼクティブ・エデュケーションに対する
アプローチの変化である。
設立当初は、各ビジネススクールのプログラムはどれもさほど変わるものではなく、
かつ位置付けとしても、豪華な教授陣に、各国企業のトップ人材との知的交流を楽しむ
「インセンティブ」的な要素が強かったと言う。
しかし、ここ最近は企業の求める「変化」の実現に向けて、
派遣される人材のリーダー化、リーダーシップ強化を通して、いかにその個人にインパクトを
与え、そしてその人材が組織に対してインパクトを与えられるか、
ということを前提にしたプログラム開発にLBSはシフトしている。
故にLBS内では名称を、従来型の教授陣から、知識を得るまたは”ダウンロード”する、
「エデュケーション」から「インパクト」へと変化させている。
事例発表頂いたNEC様のキャリアネットワークビジネスユニットでは、
2007年以来、6期に渡り、116名の若手管理職、管理職候補の主任クラスが
国内でのグローバルスキル強化プログラムを受講し、
39名が各国のトップビジネススクールのエグゼクティブ・エデュケーションに派遣されている。
グローバルビジネスにおいて、競合・協働し得る人材のレベルを体感したコア人材が増えることは、今後のグローバル展開において組織に「インパクト」を与えていくのだろうと確信している。
私たちとしても、改めて様々な人材育成・組織開発支援を通して
どの様な「インパクト」を起こせるかについて考えたいと思った1日だった。