今週は上海に来ている。最近は半年に1度のペースで来ているが、驚くほどのペースで街が洗練されてきている。エネルギーに満ち溢れ、ヨーロッパの高級車が急増し、5スターホテルの駐車場でステータスを競い合っている。
世界中の起業家にとって、これほど魅力的な街はない。起業家は退屈さに耐えられないのだ。上海のビジネスピープルは、多国籍でリスクテイカーで、話は夢を持ってどんどん前に進む。先送りは厳禁だ。そして上海ビジネスの住人はビジョナリーで、自分の成長に貪欲だ。
上海に来てわくわくしている私であるが、東京生まれ東京育ちとして忸怩(じくじ)たる思いもある。
ビジネスを始めたい場所という視点で見ると、やはり上海に軍配があがる。
別に法人税が高いとかそういう無機質なたぐいの話ではない。エモーションの問題である。
残念なことに、東京は自分の本当の魅力を自覚していない都市なのだ。上海では到底味わえない「起業家を魅了できる奥の深さと質」があるというのに。
そして、日本人ビジネスパーソンも同様だ。実は本人が日本社会では当たり前すぎて気付かない匠の技を持っているのだ。このことは別の機会に書きたい。
それなのに英語力だけあげれば『グローバル人材』などという幻想が闊歩するは嘆かわしい事態だ。
私としてはとにかく自分にできること、『人と組織のグローバル化』で東京を応援したい。
今回いくつかのコーポレートトレーニングの組織とパートナーシップの話し合いを持った。年内には、コンセプトを固めて、G研(グローバル人材育成研究会)で皆さんのご意見を伺いたい。