先週UCバークレーのHaas School of BusinessのAndrew Isaacs氏が来日されていたので、最近のリーダー教育やMOT(技術経営)について話し合う機会を持った。
左のチャート(クリックで大きくなります)は、Isaacs氏の話を元に作成したものであり、日本企業から見た各マーケットの成長機会とグローバルチャレンジ度を示している。
国内企業のグローバル人材育成のプログラム開発上の参考になったのでご紹介したい。
当然であるが、日本企業にとっては、日本市場の障壁が低い。しかし、周知の通り少子高齢化のため市場の成長は見込みにくい。
逆にビジネス上の成長の機会はインドと中国が最も高く、そして、グローバルチャレンジ(協働あるいは市場としての難易度)も同様に高い。米国の場合は、お付き合いも長くビジネス上のルールも共有化されているので、難易度は比較的低い。欧州は、米国よりも多様性に富んでいることからグローバルチャレンジ度はやや高くなる。しかし、市場としての成長はそれほど期待できない。
従って、国内企業のグローバル人材育成上における今後の課題としては、難易度は高いが、インド人や中国人との協働/交渉の能力を高めるということにつながる、と私は考えている。
最近、ダイバーシティマネジメントのコースのオーダーが多くなっているが、日本企業では、まだまだ社内の多様性は低く、浸透まで持っていくには相当のエネルギーが必要になるだろう。
例えば、ヨーロッパ企業の日本現地法人にて、弊社がワークショップを開催すると、1クラス15名でも8カ国もの国籍からの参加者からなることがざらにある。欧米のグローバル企業のダイバーシティ浸透度は高い。むしろごく普通の風景になってきている。
近未来には、日本企業においても、成長機会が見込まれるアジア企業との協働が増加し、社内で日本人とアジア各国の人など7~8カ国の人材と協働するのがごく普通の風景になる可能性は高い。しかし、今のままでは、日本人は強烈な個性を持つインド人や中国人のエグゼクティブやマネージャーの間で埋没しかねない。その中でダイバーシティの相乗効果を最大化し、リーダーとして颯爽と活躍する日本人の育成が弊社にとっての急務である。
Isaacs氏には、昨年の9月にグローバル人材育成研究会で講演をお願いした。