今年は新入社員研修での講演の機会が多かった。3月に発刊した『パーソナル・グローバリゼーション』をもとに、3~4時間講演し、午後はバイリンガルMCかつ舞台女優の藤本ケイさんによるドラマを使った英語学習ワークショップという構成で行った。
そこで感じた新入社員のパーソナル・グローバリゼーションについて述べたい。
私の講演部分は主に以下の内容で進めた。
1)グローバル化の本質とは? グローバル人材の定義(OSとアプリケーション)とは?
2)パーソナル・グローバリゼーション(個のグローバル化)の緊急度とメリット
3)どう自分をグローバル化するか?
4)右脳型英語学習法
一部強い拒否反応を示す新入社員もいるが、95%以上は、自らのグローバル化に対して、危機感を持ちつつもポジティブな態度である。
多くの新入社員が真剣に、時には夢を膨らましつつ楽しそうに、自らのグローバル化のイメージ作りを行っていた。
この世代のキャリア上の課題の一つが、少子高齢化にともなう社会構造の変化がもたらすグローバリゼーションの大波をどう乗り切っていくか、である。
日本が5-10年後に移民政策を変え、多くの外国人が職場において上司・同僚・部下・パートナー・ベンダーとして協働する日が来るのかはまだわからない。ただ、前回も述べたが、少子化問題を解決するもっともスピーディーな解決法は、外国人を積極的に誘致する移民政策だろう。もしその方向になれば、08年の新入社員は20代後半から30代前半には、国内の職場でも外国人との協働がより普通のことになる可能性がある。
移民政策は、政治家にとっては、本日再可決のガソリン税の暫定税率、消費税アップ、法人税軽減よりももっとセンシティブでありまだどうなるかはわからない。
だが、私は、これから将来のある若者に、起こりそうな近未来の課題として、先送りせずに方向性を出し、将来求められる人材像を示すことも政治家の責務であると考えるがいかがだろうか?
これからも、このような講演やワークショップを通して、グローバル人材育成の現場で感じる現状と、既にグローバルで活躍されている諸先輩のコンピテンシーを分かりやすく伝えてゆくことで、将来ある若者たちが自らのグローバル化を考えるうえで、気づきを起こせる場を提供していきたい。草の根レベルではあるが、そうした積み重ねが、会社としてもこのグローバリゼーションの大波を乗り切る基盤作りの一助になると考えている。