先週から今週にかけて、19名を英語でインタビューした。対象者は30代を中心とした優秀な人材ばかりで、企業派遣で6ヶ月の海外研修にこれから出発する人たちである。TOEICは平均700点代で、それなりにビジネスで英語を使っている人が多かった。
19人それぞれが英語に関する『悩みや壁』を感じている。
Aさんは、TOEIC800点後半であり、知性の高さを感じさせる英語を話すのだが、まだ自然に英語が出てくるのではなく、苦しみながら話しているのがわかる。ネイティブとの電話会議や難易度の高い交渉の場面を終えるごとに、自分の英語力の未熟さを実感しているそうである。Aさんは海外に住んだ経験がない。国内で多忙な中をまじめに英語学習に取り組んだ結果、TOEICで高得点も取り、英会話レッスンにも積極的に取り組んだ様子であるが、まだ苦しみは続いている。
TOEIC700のBさんは、その「保有能力」(ボキャブラリー、文法力、リスニング力)をまだ60%程度しか発揮できないため、「Please tell me about yourself.」というような初歩的な質問にさえ相当苦労して答えている。しかしこの状態は、こつを覚えてTOEIC700という「保有能力」を「発揮能力化」することにより、それほど複雑ではないビジネスのシチュエーションであれば問題なくこなせることを説明するとかなり安心したようである。
このように、ビジネスの現場では、それぞれのレベルでそれなりに個人個人悩みがある。
TOEIC高得点者の多くは、「正確さ重視」である。逆に言えば「正確さ重視」であるから高得点が取れるとも言える。イギリスのビジネスパーソン向けの語学学校でよく見られる光景だが、TOEIC500-600のイタリア人やスペイン人がどうどうと持論を流暢に展開するのに出くわす。英語テスターとして、注意深く聞けば、文法や語彙の使い方で間違いは多いが、言わんとすることや感情が十分に伝わってくる英語がそこにある。
仮定法や微妙なニュアンスを含んだ内容や、高い語彙力を必要とするプレゼンや交渉にはTOEIC900は必要である。しかし、通常のビジネスにおける会話や社交の場では、TOEIC600をフル活用すれば十分に活き活きと会話できるのである。
日本人も、「正確さ重視」から「流暢さ重視」へ方向転換すべしといつも提言している。30-40代になってから、ネイティブのような英語を目指すのではなく、パリやシンガポールあるいは米国でも人種の坩堝であるニューヨークでノン・ネイティブが堂々と使っているグローバル・イングリッシュが最も現実的且つ実用的な英語なのである。
「流暢さ重視」のGE(Global Education)流英語学習法を当社のサイトでも紹介しているので、ぜひ一度訪れていただきたい。
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「私の英語学習法」コーナーは当社の「右脳型英語学習法セミナー」参加者を中心に運営されている。まだ、開設したばかりだが、中高年の英語に苦しむ管理職や「コア人材・butノットグローバル」な人たちもお互い勇気付けあい、助け合いながら英語学習に励む様子がわかり、私も楽しく読んでいる。
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