10月4日(火)にG研 「ダイバーシティ対応力が高い組織を開発するには?
~社員一人ひとりの認知の幅を広げ、ダイバーシティ環境で働く土台をつくる~」を
脇田 啓司氏をお招きして開催した。
日本企業では、「ダイバーシティ」というと、女性の活用にフォーカスする場合が多いが、
グローバル企業では、人材・組織開発の様々な側面に注目し、多様な背景を持つ個々人をいかに
マネージするか、という点に重点が置かれる。
顧客をあっと言わせるような新しいサービスを生み出し提供し続けていくためには、同質化した組織ではなく、異なるタイプの人間が集い、様々な意見が飛び交っている組織である必要があるのだ。つまり、イノベーションのためにはダイバーシティが不可欠だ。
脇田講師は、個々人の認知の幅を広げることで、ダイバーシティ対応力を高めるという
ユニークな研修を実施している講師である。
「認知」とは、ある出来事に遭遇した際、それをどのように捉えるか、というモノの見方を指す。
この「認知」は、感情や行動の基本となるため、自分自身の認知を知り、それをマネジメントすることで、より幅広い人材との関係構築が可能になる。
「自分と相手の認知は異なる」ことを理解し、それを受け入れ、よりよいコミュニケーションのための対策を練ることが、ダイバーシティ・マネジメントの第一歩なのだ。
例えば、上司と部下で、「完全主義度」に対する認知が大きく異なっている場合を考えてみよう。
<上司> 細部や正確さにはこだわりがあまりなく、スピードを重視。
<部下> 一度受けた仕事は、完璧にして提出したい。
この場合、部下が提出したものに対して、上司はなぜこんなに時間がかかったのか理解できず、その部下には「仕事が遅い」という側面だけを見て評価をする可能性がある。また、多くの組織では、直属の上司だけではなく、それ以外にも上下関係がある。そのため、社長⇒役員⇒本部長⇒部長⇒課長⇒係長⇒担当までの間には、多くの誤解とコンフリクトが生じてしまうのだ。
自分と関係者の認知の傾向を理解し、その違いを優劣ではなく「違い」として認知することができる人の集まる組織に変えていく―。
これこそがダイバーシティマネジメントなのだ。
G研当日は、自分の普段のコミュニケーションや行動から、どのような認知の傾向にあるかを視覚化する認知のアセスメントを行った。その後、ペアやグループでグラフを見せ合い、お互いのグラフの特徴を共有してもらったのだが、こんなに違うものなのか、という驚きとともに、大いに盛り上がっていただいた。
ダイバーシティマネジメントを、女性活用としてではなく、
異なる認知の傾向がある人々と働くことで、結果を出し続ける組織を作るためのプロセスと捉える。
このような意識の転換が求められているのではないだろうか。
次回のG研は、来週の月曜日、10月17日(月)で、
Michael G. Foster School of Business, University of Washingtonから
ビジネススクールの学長が来日して、当社と共同開発した
3か月のMini-MBAプログラムをご紹介する。
こちらも、マイクロソフトやスターバックスというダイバーシティ先進企業を本拠地とするシアトルのビジネススクールである。私からは、継続効果の高い、企業英語研修の新しい形をご提案させていただく。
まだ、3席ほど席があるので、ぜひ、ご参加いただきたい。