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テーマを変えながら、最近はG研を毎週2-3回の頻度で行っている。人材育成ご担当者様や講師の方々との対話を通して、改めて「ニューノーマル下での人材育成」について考えている。今回のコロナ禍を機に、各社で一気にテレワークが進んだ。6/1の日本経済新聞が行った経営者100人へのアンケート結果によると、テレワークの継続を予定している企業は90.9%に上るそうだ。毎日会って顔を合わせながら一緒に仕事をしていたところから、顔を合わせなくとも成果を出していく、という風に世の中が変わっていった。これに戸惑っている人もいれば、やる気になっている人もいるだろう。今後、どんなに社会が変化したとしても、自分がSustainable(持続可能)であるために、自分はどうしたらいいのか?
変革には痛みが伴うが…
経験を積めば積むほど経験値が上がって、それが成果につながる時代ではない。VUCAと言われて久しいが、コロナがその代表例であるように、「まさか」ということが起こる時代だ。正解がない世の中だからこそ、古い時代の価値観や過去の成功から脱却し、自らを変革し続ける勇気が必要だ。自分を変革すると言う言葉は、カッコよく勢いを感じる。ただその裏側にはとてつもない痛みを伴うものだ。平時にはあえてその痛みを受け入れる必要はないし、まして自分の生活が順調であれば、痛みもリスクも回避する。
昨今私のところに来る案件はグローバル関連だけではない。特に増えているのが「変われない中高年」の課題だ。それは本人の課題でもあり、周囲に(特に部下)にネガティブな影響を与える意味で深刻である。変われない理由とそのソリューションに関しては、だいぶ答えが見えてきた。人は動機があれば動き始める。痛みを伴っても変わりたいと腹落ちすれば動くのだ。中高年に限らず、安定志向で社会の中で上位2割に入っているような人たちは、例え自分があまり良い状況でなかったとしても、自分より恵まれていない人たちを見て、「まだ自分のほうがマシ」「真面目に働いているのだからいつか報われる」などと考えがちだ。
100年ライフで「老後」が延びた
ただ、この考え方は近視眼的にしか人生を見ていない。1-3年先の未来だけではなく、残りあと50年、60年生きることを前提として考える必要がある。今から将来設計の綿密なプランニングをしろ、という意味ではない。現時点でのプランニングは変化の激しい時代にはあまり意味がないだろう。ただ、冒頭にも書いた通り、どんなに社会が変化したとしても、自分がSustainable(持続可能)であるために、自分はどうしたらいいのか?を考えることが必要な時代だと思う。私は「パーソナル・グローバリゼーション(自律的に自責で自分をデジタル&グローバル適用型人材に変革する)」セミナーを開発し自ら講師を行っている。私は受講者に、なぜ自分を変革しなければならないかを2つのポイントから問いかける。
1つ目は、社会的な要素。人生100年時代の中で、30代から40代の中核人材にとって、かなりの確率で老後(年金暮らし)は80歳まで来ない。年金を受給できるようになるまで、30歳ならあと50年、40歳ならあと40年である。私が40歳の時、「老後」のイメージは60歳だった。だが、私はそれをとっくに通過した今もまだ現役で楽しく仕事をしている。VUCAの時代に、知識やスキルはあっという間に陳腐化していく。変化に適応できるものだけが生き残っていくのだ。
自分の時間、努力、忍耐の向こうに何か意味のあるものが見えるのか?
2つ目は、Why「自分にとっての生きる意味」である。私は年齢を重ねるごとに、この意味がわかってきた。30代から40代では正直な話あまりそんなことを考えていなかったと思う。人生はまだまだ続くし、世の中から振り落とされないために必死で働いていた。今の30-40代も多くの場合、必死に働いているのだろうと思う。ただ今感じるのは、その頃でさえ、自分の生きる意味についてより深く考えておく必要はあったと思う。「Why」があればすり減らないからだ。全くすり減らないわけではないが、少なくとも自分の時間、努力、忍耐の向こうに何か意味のあるものが見えるのかどうかは極めて重要だ。ちなみに、私にとっての「生きる意味」は、「私の活動が大海に一滴だとしても、グローバル人材の育成を通して、私が生まれた国、日本に貢献していくこと」である。
写真は自分の「生きる意味」がかなりクリアに見えてきた6年前。湯河原吉浜海岸の真ん前の高台に土地を見つけて、「ニューヨークのSohoにある倉庫をぶち壊して作ったオフィス」という現場泣かせのコンセプトで作った「Yoshihama Vantage」の建築風景。大工さんの顔が懐かしい!
当社の社員研修はここで行っているが、オフサイトチームビルディングとして好評だ。現在スタジオとしても貸し出し中。ご興味のある方は当社までご連絡ください。
Yoshihama Vantage (クリックするとページが開きます)