2018年9月26日(火)に行われた第171回G研「採用した外国人スタッフが辞めてしまう…共に生き生きと働くために、日本人が知っておくべきコミュニケーション術」の様子をご紹介する。
昨今、外国人と日本人若手の価値観が似てきているのではと感じることがある。この両者からは、日本企業や働くことに対して次のような不満を持っているという言葉も聞こえてくる。「年金も退職金も当てにできない、能力相応の給与が貰えない、本気になれる仕事をやりたいのに・・・。」終身雇用で安定した仕事につきたい、という考えは色濃く残っているが、だんだん非現実的に見えてきたのだ。
私は、世界中の優秀な人々が働きたいと望む
第2部:外国人と
第二部では、ウズベキスタン出身、ウズベク語、ロシア語、英語、日本語をはじめ7か国語を操る、異文化理解のプロフェッショナルであるファリザ講師をお迎えし、多様な価値観を取り込んで自社の強みに繋げていくために知っておくべき、外国人スタッフとのコミュニケーションのコツをご紹介いただいた。このワークショップだが、海外赴任経験のある日本人200人、日本で働いたことのある外国人500人に綿密なインタビューを行った、実にリアリティあるものなのだ。 外国籍社員の採用も増えてきている昨今、以下のような悩みを耳にすることもしばしばだ。
・採用した外国人スタッフがすぐに辞めてしまう
・日本語が話せるのでうまくいくと思ったがトラブルが起きてしまった
・外国人社員に自社のビジネススタイルをなかなか理解してもらえない…
今回のG研では、実際のセミナーで行うロールプレーを参加者の皆様にもご体験いただいた。
例えば、皆様はこんなケースにどのように応じるだろうか。
優秀だが、勤務時間中の離席が多く、カフェに一人でいることが多いアメリカ出身の部下に対し、病気で休養が決まった同じチームのメンバーの仕事を依頼することになった。あなたは、マネージャーとして「同じチームなんだから、助け合いましょう。」をベースに話をしてしまわないだろうか?外国人メンバーの場合、他人の仕事のサポートは、その人から仕事を奪うことになり、ネガティブなこととして捉えられることがある。また、雇用契約内容と違っている、ということもあるかもしれない。 この場合に、「チームが困っているんだから」と説得をすることはロジカルではなく、外国人社員からすれば、「それは上司であるあなたのマネジメントの課題であり、私には関係のないこと」で、マネージャーとしての信頼を損なうことになりかねない。グローバル企業において、マネージャーの仕事は一緒に考えることではない。社員の状況に共感を示しながらも、自分が下した意思決定をロジカルに伝えた上で、部下が行動にうつせるようにサポートすることが求められているのだ。
採用した外国人社員がやめてしまうという課題。それに対するファリザ講師のソリューションを聞きながら、これは日本の若手社員に対しても実に有用なスキルおよび考え方であると感じた。昨今、日本人若手と外国人社員の価値観が共通化してきていることを考えると、マネジメントも同様に変わっていかなければならない。日本企業の「グローバル企業化」が急務である今日、日本の企業が今ある狭い視野から抜け出し、ダイバーシティを受け入れ、若手社員、外国人社員に留まらず、女性社員、マイノリティの人々も含め、社会全体がのびのび働ける環境を作ることが重要なのだ。
なお、ファリザ講師には10/17(水)に当社の公開セミナーでも登壇いただく予定だ。ぜひ、こちらもお越しいただきたい。
<終了後に、ファリザ講師と>