「英語力の底上げ」は各社にとって長年の課題である。
多くの日本企業では、社員の英語力強化に向けて社内英会話、合宿型研修などを大量に導入してきた。しかし、その投資効果は低く、未だに英語力底上げに頭を抱えている企業が多いのが現状である。
近年では、英語公用語化を宣言し、社員の英語力強化に真剣に取り組む企業も増えてきた。もちろん英語を社内公用語にすることも策の一つではあるが、それ以外の方法で「組織の英語力」を底上げする方法はないのだろうか?
次回3/19(木)のグローバル人材育成研究会(G研)では、この課題に関連して企業における英語研修を事例発表も含めて取り上げる。
事例に関しては、サントリー食品インターナショナル株式会社より人材育成ご担当者をお招きし、英語力強化において、どのような取り組みをされているのかお話しいただく。
同社では、「英語力の底上げ」という課題に対して、管理職に向けに「パーソナル・グローバリゼーションセミナー」を導入いただいている。
オランジーナ・シュウェップス社(英)や、フルコア社(NZ)などを傘下に持つ同社では、組織と社員のグローバル化と英語力アップが経営課題として大きく浮上してきている。
しかし、英語を学ぶにあたり、なんとなく必要性は理解していても、現在の業務では英語は使わないという現実があると、自分自身、そして部下の英語学習へのモチベーションを高めることはなかなか出来ない。
そこで、「英語」そのものに目を向けるのではなく、そもそも今自分達を取り巻くグローバル化とは何か、自分たちのキャリアにどのような影響があり得るのか。そしてどのような要素を持った人材が求められるのか。それらの要素をどう高めるのか、というキャリア視点でのグローバル化について考えて頂いている。その流れの中で、英語力の重要性も理解して頂く流れだ。
管理職がまず率先垂範しパーソナル・グローバリゼーション (自分グローバル化)を実践し、その上で部下にも「自分をグローバル化」するメリットを明確に説明し、英語を学ぶ必要性を伝えるという構造を作る。それが大きなレバレッジとなり、組織のグローバル化は自律的に動き出す。
「やってみなはれ文化」で有名な同社では、自発的な英語学習者を各部門で増やし、周りや部下への波及効果を狙うということが、組織の英語力底上げに繋がると考えている。