この数年間で大手企業2,000人以上の管理職向けセミナーの講師を担当した。
このセミナーの目的は「自分はグローバル人材ではない」と確信している「グローバル人材にあともう少し」の人たちの誤解を解くことにある。
日本企業の中枢にいる人たちと対峙して再認識したのは、グローバルで十分に通用する技術者やマネージャーであっても「英語が苦手」というだけで自分はグローバル人材ではないと思っている人が非常に多いということである。
セミナーの冒頭で、自分のグローバル度について5段階評価で挙手してもらうと、7割以上が自分はグローバル人材ではないと思い込んでいるのがわかる。そして、「英語が苦手」というのが最も大きな理由である。
私の仕事は、そういう誤解を解いて企業の中に埋もれている宝物のような人材にグローバルビジネスで活躍してみようという気持ちになってもらうことである。
もちろんグローバルで活躍するためには英語ができるに越したことはないが、英語ができないから絶対に活躍できないというわけでもない。
加えて英語は勉強の仕方によっては40代からでもまだ身に付けることが可能なのである。
もし現時点で英語力がないとしても、まずは何らかの形でグローバルな仕事に自ら近づき、体験し自分自身の専門性やマネジメントスキルが役に立つものであることを実感すべきである。
英語に関しては、あせらずじっくりと楽しく取り組み使えるようになる努力を怠らなければいつかはその努力が報われる。
このブログで何度も紹介しているが、自分自身をグローバル人材化(パーソナル・グローバリゼーション)する方法はある。
それは3つのステップになっている。
1番目は、WHY(なぜ自分もグローバル化すべきなのか腹落ちするプロセス)である。
これがないと取り組んでも中途半端なことになる。
2番目は、WHAT(グローバル人材の能力要素はどんなもので、自分には何が備わっていて何が不足しているのか)である。これがわかると頭がすっきりして、さぁ取り組んでみようと思うのである。
3番目は、HOW(それらの要素をどのように楽しく身に付けられるのか?)である。
日々の生活の中で習慣化し身に着けていくものなので想像するほど大変なものではない。私自身が実践してきた方法である。
写真は先週の金曜日の1日セッションの様子である。
この企業の管理職の方には、すでに300人以上受講いただいた。その多くの方々がこの数年で現場の外国人比率が上がったり、文書の英語化など職場の急激なグローバル化を経験し始め、危機感を持ち始めている。
そのせいもあり受講する姿勢が真剣そのものである。
5年前からこのセミナーを始めているが、無理やり参加させられて迷惑そうな人たちの割合は減りつつある。