「管理職向けグローバルマインドセミナー」の依頼が増えている。
今回はその背景とセミナーの目的について述べたい。
今週も東京と大阪のIT企業で「パーソナル・グローバリゼーション(自分をグローバル化する方法)」の講師を担当させていただいた。
今年は毎週どこかの企業でこのセミナーを開催している。
昨日は大阪で講演させていただいたが、社長と副社長が私の目の前に着席され、200名の管理職と当日参加できない場所にいる100名の方々にはリアルタイムでTV会議システムを使って配信された。
私の講演の前には、副社長による英語のスピーチと外国籍の社員2名と日本人1名が英語でプレゼンテーションをされていた。この企業のグローバル化対応に対する真剣度は高い。
会社が今後国内で日本人だけで日本語だけでビジネスを行っていくのではないこと、世の中が変化し始めていることを感じ取った人も多かったはずだ。
グローバル化はIT化に伴い2000年以降にものすごい勢いで他人事ではなくなりつつある。
企業においては、「グローバル案件は、国際部に任せるよ」というのは過去のものになりつつある。また、そういう感覚の社員の感度の低さは目立つようになった。
これからもグローバル案件に携わる社員の割合は増え続けるだろう。クライアントもグローバル展開し、ベンダーは海外からも探し、社員の外国人比率も高まってきているのだ。
数年以内に定年を迎えるというのであれば話は別であるが、上司や部下がこれからも永遠に日本人であるという保証はどこにもない。
自分だけは一切関係ないというのは現実的ではないし、管理職であればそういう姿勢は周囲にネガティブな影響を与えていることを知るべきである。
≪芽生え始めた不安≫
自分がグローバル化に適応できていないことが小さな不安として芽生え、次第に無視できないレベルになっていく社員が増えている気がする。私のセミナー受講者の反応からそう感じる。
私は正常な危機感を持つことは必要だと思う。
この時代に自分の苦手なことから逃げようとする姿勢は課題を先送りしているに過ぎない。
ただ、自分をどうグローバリゼーションに適応させたらいいのかがわからない。
英語を学べばいいのか?でも、英語は何回も挑戦したが身につかなかった。
また、どうも英語だけの問題ではないようだ。
ではいったいグローバル人材というのはどういう人材のことなのか?
そういう疑問に答え、個人個人が
Why (なぜ自分をグローバル化すべきか?)
What (グローバル人材の要素は?)
How (どうすればいいのか?)
を腹落ちするようになるのが「パーソナル・グローバリゼーションセミナーの目的」である。
戦後の世界経済の中で日本はまだ強烈なグローバリゼーションの洗礼をうけていない。むしろ恩恵を受けてきた。韓国は97年に財政破たんに直面し、国として辛酸をなめ、財閥企業は解体された。
2013年、1000兆円の借金を抱える日本。しかも借金は増え続けていく。
一方日本の大手企業の管理職の多くは日々の生活と仕事をこなすことで精いっぱいだ。
自らが先陣を切ってグローバル市場を開拓しようという勢いは感じられない。
グローバルは他人事という管理職との接触を通して自分に課したことは、もっと本音で企業の中核の管理職と対話したいという思いである。