かねてから、私はキャリア研修がカバーする範囲について疑問を持っている。
キャリア研修を受講する参加者は、今後、グローバル化の波から逃げられない。
正面切って直視する必要がある。それなのに、従来型のキャリア研修では、
自分のキャリアを国内に限っているのではないかと思わせるものが多い。
例えば、2013年現在、25歳で3年目研修を受ける参加者が
「課長研修」を受ける30代後半から40代頃というのは、今から10年-15年後だろう。
その頃、世界経済はどうなっているだろうか?
グローバリゼーションはますます進展し、
自分の今の職種は、日本人ではない世界の誰かが行っているかもしれないし、
その職種自体が消えているかもしれない。
私たちは、そういった変化が早く、かつ、極めて先行き不透明な世界に生きている。
東洋経済オンラインで興味深いインタビューを見つけた。自民党が解雇規制を緩和する方向だということにも言及している。これは最近のメディアで見聞された方も多いだろう。
→http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130310-00012456-toyo-bus_all
今の若者の5-10年後は終身雇用も年功序列も崩壊している可能性が高まってきているのは否めない。移民の受け入れに関しても、日本人のマジョリティは反対であるが、いざ本格的な増税が起きればやむなく賛成組も増加するのではないか。
そうした状況に対し、London Business Schoolのリンダ・グラットン教授は、
著書「ワークシフト」において、「気づかないうちに積み重なる既成事実」によって
「漫然と迎える未来」ではなく、「主体的に」未来を築く重要性を説いている。
私はこれにとても共感していて、まさにその通りだと思っている。
ちなみに、リンダ・グラットン教授は、つい最近来日しており、
日本の若者へのメッセージとしてこんな風につづっている。お時間があればご覧いただきたい。
http://lyndagrattonfutureofwork.typepad.com/lynda-gratton-future-of-work/2013/02/the-choices-for-japanese-youth.html
会社におんぶにだっこのキャリアが間もなく立ち行かなくなることは
誰の目にも見て確かだ。どんな荒波が来ても、生き残れる人材になれるよう、
個人が強くならなくてはいけない。
私のパーソナル・グローバリゼーション研修で、繰り返し皆さんに
お伝えしていることは、まさにこのことだ。
自分自身のキャリアを考えること、それはまさに
グローバリゼーションに対して自分をどう適応させていくのか、ということだ。
3月18日(月)のグローバル人材育成研究会の私のパートでは、
キャリア研修にグローバルの視点を入れるコツをお伝えしたいと思っている。
必要性は分かっていても、じゃあ、一体どうやって入れると一番効果的なのか、
そのポイントをご来場いただく皆さんとディスカッションしたい。
□詳細はこちらから↓
http://www.globaledu-j.com/hrd/seminar_report/seminar_12.html