一昨日、クライアント企業で第4期目となる選抜新入社員向けグローバル人材育成プログラムのキックオフセッションに招かれた。
社内において「内なる革新を起こす人材」としてのミッションを持ち、4~6ヶ月の国内研修を経て、1~2年の海外現地法人や駐在員事務所で現地社員を上司に持ち、実務研修を通して成長していくプログラムであり、私たちも国内研修の企画・運営に当初より携わっている。
当日のキックオフセッションでは、今年度の参加者として選ばれた20名を前に、まず人事部長、そして海外事業企画本部長から海外売上状況、そして今後の方向性を具体的な数字と共にお話頂いた。そして特に印象的だったのが、参加者への期待と海外での実務研修に臨むにあたっての姿勢についてである。
人事部長からは、
・ 「研修生」という気持ちを捨てて、現地で「雇われる」という意識でいるということ。
・ 競争相手である世界のグローバル企業の同年代と、どう違うかを常に意識して研修に臨んで欲しい、という主旨の言葉があった。
海外事業企画本部長からは、
・ 「国内事業」がグローバル全社の一地域の事業になるよう、つまり、「国内・海外」の事業区分がなくなり、グローバルが当たり前になっている状態を目指して、高いプロ意識を持ち、高めていって欲しい。
・ 自分は何が出来る人材かを常にアピールし、プロアクティブに行動することで現地社員から「好かれる」、そして一年後には「日本に帰るな、残ってくれ」と言われるぐらいの人材になって欲しいとの激励を頂いた。
その後、このプログラムの卒業生である先輩社員5名によるプレゼンテーションがあった。
彼ら、彼女らは1期生、2期生として、それぞれアルジェリア、フランス、メキシコ、シンガポール、香港に派遣された。
・ 日本とは全く異なる文化に戸惑いつつも、「現地社員」としての価値を生み出そうと頑張り、認められた話、
・ 現地スタッフと力を合わせて契約を受注した話、
・ 日本本社からの赴任者と現地社員の架け橋になろうと努力した話、
・ 現地社員の能力の高さに触れ、共に仕事するなかで、現地社員を「Respectする」大切さの意味を本当に理解した話、
など、どれも彼ら、彼女らの熱い思いを感じるものばかりだった。
それぞれの苦労、成果・学び、第4期生へのアドバイスを短い時間の中で語るその表情は引き締まり、グローバルビジネスの楽しみを感じながら、これからのキャリアを築いていく上での、自信のような力強さが伺え、きらきらと輝いていた。
まさに人事部長や海外事業企画部長の言葉を体現してきた様子がそこにはあった。
新興国の人材の情熱、向上意欲の高さ、そして能力の高さから日本の人材に対する危機感は益々高くなっている。
しかし、この5名の表情を見る限り、まだまだ希望があると強く感じた。
5年前、当時の社長による強い危機感から始まったプログラム。過去3年で72名が国内研修を受け、内55名が25ヶ国に派遣された。
事務局の方々の熱い思いも加わり、着実に次の世代の新たな流れへと繋がっていると実感した。
もちろん社長の求める変化を生み出すにはまだまだ人数も足りない。
だからこそ、私たちもこの流れを加速させるよう手を休めてはならない。
不安な面持ちを見せながらも先輩社員のプレゼンテーションに熱心に聞き入っていた第4期生20名。
2月からの国内研修を通して、この新たなメンバーと向き合えることが今から楽しみである。
2、3年後には必ずやこの中からも、将来の新入社員に輝かしい表情で語る次世代グローバル人材が出ていることだろう。
その場に立ち会えることが今から楽しみである。