あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。本年も『グローバル&自立型人材育成』に本気で取り組んでまいりますのでよろしくお願い申し上げます。
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さて、2011年は、グローバル人材育成に関して明らかに潮流が変わった様に思われる。今までのように、「グローバルも手をつけておかなくては」というレベルから、「経営者からのトップダウン」に変わった。生き残りをかけて、世界60億人の市場経済のマーケットで戦っていく決意をしなければならないところまで追い詰められた企業が急増したのが要因である。
そして、「グローバル人材=日本で仕事のできる人+英語力」という曖昧で誤った概念に対する反省が、現場の人事部や経営企画部で腹落ちした年でもあった。これは、2000年に起業してから、私が訴え続けてきていることで、ようやく認められ始めたは嬉しい。
しかし、数10年に渡って、英語力をなんとかしろという大合唱に従い、本気にならない社員に英語研修を施している間に、韓国では、サムソンの管理職が平均でTOEIC900以上であり、エリート層の英語力に関してはもうとっくに議論が終わっているを鑑みると日本の「茹で蛙状態」は危機的である。
もう日本のエリート層は、TOEICなど会社から義務付けられなくても、自立して自己学習で自分の将来をかけて900点を取るべきなのであるが、まだまだそんな雰囲気は出来上がっていない。
日本企業は、円高で年収10万ドル(780万円)になってしまった保守的な日本人エリート社員にTOEIC700を義務付けて、世界でもう一度シェアを奪還するというような空論はやめる時期である。
求められる人材のスペックを、英語力だけではなく、ビジョン力、思考力、自己強化力、コミュニケーション力、ダイバーシティー力など可視化し、その習得に関しては十分に支援するべきである。そうしなければ、間にあわないところまできている。
個人レベルに落とし込んでも日本の高収入中能力人材が新興国の低収入高能力人材に人材の価値として勝てる可能性は残念ながらない。
企業は最後には生き残りを選択するから、その時にもうあなたは必要ないと切り捨てられないように備えなければならない。
私は、「自立、グローバル、イノベーティブ」が今年の人材のキーワードと考える。なぜ、グローバル人材が求められるか?それは、生き残るために必要なだけであり、そのために、日本のエリート層は世界で何が起きていて、それが自分の将来にどんな意味があるのかを客観的かつ正しく理解しなければならない。それが、自立へとつながる。
日本のような高収入人材が中心の企業のコスト体質で、中級の商品やサービスを提供していたら、この先どういう結末になるのかは誰にでもわかることである。
だからこそ、「グローバルかつイノベーティブな人材」が求められるのである。
2012年はこの関連性にもぜひ着目していただきたい。
今年の第1回目のG研では、中国での新しい研修のご紹介とグローバル人材育成とイノベーティブ人材育成の動向について取り上げるので是非ご参加頂き、ご意見を頂戴したい。