先週の木曜日に、G研37回を開催した。今回は、イタリア人のMarco Narducci(マルコ・ナルダッチ)氏にご登壇いただいた。
彼は、MBAホルダーかつ心理学者である。
また、「東京いのちの電話」のカウンセラーもボランティアで行っている。うつ病の人々の苦しみを救おうとする彼から視た日本人のサラリーマン・OLには、われわれ日本人にはわかりにくい特殊性があると指摘している。
この研究会では、個人を元気にし、組織を活性化させるために、「知的遊び心」を引き出し、固定化された枠を外していくアプローチが紹介された。
約25名のご参加者は、一瞬でクリエイティブなワークに取り掛かり、驚くほどユニークで創造性に溢れる作品を短時間で作り上げた。
マルコさんは、このワークショップを通して、日本人の多くは一旦クリエイティブであることを許可されれば、非常にクリエイティブになるし、それを楽しむということを発見したとのことである。日本人が創造性に乏しいという俗説に対して彼は懐疑的である。
詳細は後日レポートさせていただくが、彼が最後に紹介した名言が以下のものである。
“Just start sketching something and then see what happens” (Prada).
(まず、スケッチから始めて、どうなるかを見ることだ)プラダ
“Never innovate to compete or improve something, innovate to change the rules of the game” (Giorgio Armani).
(競争や改善のためのイノベーションを始めず、競争の原則を変えるのがイノベーションだ)ジョルジオ・アルマーニ
“You cannot look in a new direction by looking harder in the same direction”. (Ferrari)
(同じ方向をいくら突き詰めても、新しい方向は浮かんでこない)フェラーリ
これらの名言は人材育成の現場でも、思い当たることが多い。
ここ数年でもっとも成果の出ている研修プログラムの多くは、従来型の延長ではなくまったく新しいアプローチのものが多い。
そして、可能性を秘めた研修プログラムの多くは、プラダ、アルマーニ、フェラーリの価値観と逆の発想でお蔵入りしてしまった。
すなわち、「前例がなかった」のだ。熱意のある人材育成ご担当者と私たちをもっともがっかりさせる理由がこれだ。
次回は私のパートの「ダイバーシティマネジメント対応可能な人材の育成」について書かせていただく。
写真は当日の模様。