先日、ハーバードビジネススクールのDr. Lynton Hayes(Executive Director, Executive Education)が来日していたので、秋以降に予定しているG研(グローバル人材育成研究会)の講演に関するランチミーティングを行った。
そこで、Lyntonからとてもいい話を聞いた。
彼がボストンからニューヨークにタクシーで向かったときの話だ。ドライバーは、運転席から少ししか頭が見えないとても小柄な老婦人だった。彼女はアメリカに13年前にインドから移民し、ずっとタクシードライバーをしている。Lyntonが、『こちらの生活はどうですか?』と聞いたところ、彼女は息子の話を始めた。彼女がなぜがんばって仕事をしているのかは、すべて息子のためなのだ。
ハーバード大学は、お金がなくても優秀な学生を奨学金で入学させることに熱心である。実際、世帯年収6万ドル(約600万円まで)だと授業料は無料である。
その資金は、ハーバード大学卒で成功した人々から基金として寄付されているものを使っている(350億ドル、3兆5000億円近くあるらしい)。
そのインド系の老婦人は『息子がハーバード大学に合格したの!』と本当に嬉しそうに語ったそうだ。彼はその奨学金制度で合格した学生の一人だったのだ。
Lyntonは奨学金制度が、世界中の優秀な人々の役に立っていることを実感し感動し、敢えて自分がハーバード大学の人間であることを告げずにタクシーをおりた。
前回のG研(Lyntonの講演)はこちら
→http://blog.m-furukawa.jp/archives/2008-06.html
写真は、帝国ホテルのカフェにて弊社福田聡子と